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犬の葬式


     キューバ旅行中、夜になると気にかかることが頭を擡げてきて離れない。


     数記事前「犬の輸血」と題して、投稿したポピーのことである。

     あれ以来、一進一退、病状の改善は見られない。


      出発直前の診察では、「よくて10日、悪くすると1週間、でも、この子は

     いい子だから、きっと待ってますよ」

     
      励まして下さった獣医さんや、家族に送られて。6月のピンピンしていた時に申し込

  んだのだから、今さらキャンセルとはいかないし・・・。


      12月14日、羽田に着いてまず携帯で聞いたのは、 「生きてる!?」

      「大丈夫、生きてるよ」 やれ嬉し!


       「オカエリ、ドコにイッテイタノ?」

   ポピーは、いつものように、 シッポを振って出迎えてくれた。
 
      「まっていたんだなぁ~」ジジがポツリ。


    食事は殆ど食べなくなってはいたので、ダッコ してやると、

    幾分軽くはなっていたが、兎に角、生きて会えたことで満足の一夜が過ぎた。



     翌15日午前中、急に息が荒くなったので、病院。

     酸素吸入を借りる約束をして、取り敢えず帰宅。いつものスタイルで寝そべって

    いる。

     家事の合間に様子を見てもあまり変わりなく・・・ところが、10時15分頃、

     小さなウンチが転がっている。(傍に転がっているのは違います)

     「あらら、出ちゃったの~」

      抱き上げたと同時ぐらいに、最後の息をフッとついて、逝ってしまった。


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      涙を流す余裕もない。

      病院から紹介されたお寺に電話。午後2時に予約をとる。

      予告をされていたから、当然の成り行きではあったのだけれど、

      「帰りを待ってた」 霊的な因縁を感じて、悲しいよりも不思議な

     現実に「感動」方が大きかった。


        真新しいバスタオルにくるんで、車で30分ほどのお寺、玄関には

       喪服姿の職員が3人、白い手袋まで嵌めて鄭重なお出迎えである。

       遺体を渡し、待つこと15分、案内された部屋に入ると


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                用意された花を1輪づつ添えてやる。


  
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           僧衣に身をかためたお坊様に、有難いお経を読んで頂く。

         滞りなく葬儀も終わり、控えの間に。その時点で、老夫婦は盛大すぎる

         葬儀に微苦笑も洩れる。なにしろ、こちらは派手ではないが家にいたとき

         のままの服装だから、喪服に白手袋とは格段の違いである。


        小動物の火葬はしてくれるので、声をかけられ火葬場に足を運ぶ。


        殆ど拾えないほど、細かい骨ばかりを、係員が手際よく骨壺に納め、

        「最後はお2人で・・」 促されて、頭がい骨だけを2人で最上部に置いた。

 
       一部の隙もない完璧な葬儀だった。

        
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      「〇〇家 愛犬ポピー」 立派な金の箱に収まり、ご自分も愛犬を亡くされた

     ブロ友さんから送られたプリザーブドフラワーに彩られ、ポピーは苦しむこと

     なく、静かに腕の中から天国に旅立った。



      思えば呆気ない。10月25日に倒れて、双月である。

      病犬も、ジジババも、よく闘った。夜中に外でトイレ、のまない薬を無理やりに

      食道深く指で押しこんだり、食べさせようと、あの手この手をつかったり。


       「死に負けたのではない、出来る限り闘ったのだから」

       妙にヘミングウエーの言葉がそのまま、当て嵌まるような最後だった。


      1915年10月15日10時15分、数字が揃って・・
     

       1か月が近づいた今頃になって、淋しさを感じる毎日である。


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                こっちの世界も、悪くはないよ~~~


      もう、犬を新しく飼う年ではない。ポピーに近づいているのだから)


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お名前(必須)

待っていてくれたんですね(⌒‐⌒)安らかな最後の時、うちの花ちゃんや十兵衛君の最期の一息を思い出しました。どちらも私の腕の中、きっと安心したんですね。何もかも重なります、葬儀もその後のふと寂しくなる気持ちも。でも、あの小さな身体で沢山の想い出を作ってくれたんですよね。昨年お寺に預けてあった二人のお骨を、自宅へ持って来ました。主人が決めました、自分のお墓をそろそろ買いたい、その時皆一緒にと…。今は毎日、朝夕二人に語りかける毎日です。時々姫も[わーい(嬉しい顔)]
by お名前(必須) (2016-01-12 14:29) 

cooper

我が家の愛犬も戌年生まれで 共に10歳になります。
最近は 守ってあげる喜びと、ふとした時に 失う悲しさを感じるように・・・・・
by cooper (2016-01-12 14:49) 

斗夢

ただ、目が潤んできました、わが家の過去の猫どもを想いながら。
by 斗夢 (2016-01-12 16:23) 

HAL

最後まで家族として一緒に過ごせてよかったですね^^
ポピーちゃん安らかに
by HAL (2016-01-12 16:30) 

旅爺さん

ポピーちゃんはokkoさんに看取られて静に逝ったんですね。
悔やみ申し上げます。 日にちが経つほどに思い出すことが多くなるでしょうね。
by 旅爺さん (2016-01-12 17:21) 

yakko

こんばんは。
ポピーちゃんの最後がmacと重なりました。涙がとまりません。
macも私と次女が見守る中 静かに逝きました。希望通り自分の場所で・・・
穏やかで美しい顔でした。今 見上げると仏壇の上から私を見守っています。

by yakko (2016-01-12 18:50) 

takenoko

旅行中に念じていたことが通じたのですね。ぎりぎりまで頑張ったのですね。長年一緒に生活したポピーチャンがいなくなり、寂しいかと思います。
我が家も小鳥を飼っていたのですが6年前に亡くなりました。名前はピーチャンでした。お骨は自宅に庭があればいいのですが仕方なく鎌倉の山の中に埋めました。小鳥なのでスプーン一杯程度でした。
by takenoko (2016-01-12 19:30) 

エンジェル

ポピーちゃん、待っていたんですね・・・okkoさんお淋しいと思いますが、ポピーちゃんはいつも見守ってくれていると思います。
by エンジェル (2016-01-12 19:30) 

まりりん

健気に待っておられたんですね。
いずれは来る別れとは言え、
途中から涙で見えにくくなりながら
読ませて頂きました。
ポピーちゃんのご冥福をお祈りいたします。
by まりりん (2016-01-12 20:05) 

koto

うちの先代の犬もそうでした。
家族みんなが家にいる土曜の晩、私の腕の中で息を引き取りました。
さみしがりやさんはひとりぼっちでは逝けなかったんだね。

by koto (2016-01-13 00:14) 

SHINOBU

私もチェリーちゃんを亡くした時、最後を看取ってあげることがてきただけでも幸せだと思いました。
仕事に行ってる間とかだと、手につかないだろうし…
最後の瞬間まで、ちゃんと私たちを待っててくれるところが、最後まで愛情深い生き物だなぁ~と、つくづく実感しました!
by SHINOBU (2016-01-13 00:31) 

Baldhead1010

此岸と同じように、彼岸にも生活があることを信じています。
by Baldhead1010 (2016-01-13 04:26) 

terrybear

ポピーちゃんママの帰りを待っていたんですね
苦しむことなく(たぶん)天国にいかれたんですね
お淋しいですね
by terrybear (2016-01-13 06:50) 

なかちゃん

昨年の記事の時よりも、今の方が読んでて涙が出そうになります。
言葉という繋がりを持たないから、なおさら強く感じるものがあるのかもしれませんね。
キューバからお帰りになられたokkoさんと会うことが出来た瞬間は、最高に嬉しかったんじゃないかな?
改めまして、合掌…

by なかちゃん (2016-01-13 09:19) 

ぼっこ

ポピーちゃんはご自分の生を全うしましたね。
それも自分で逝く時を決めて、無償の愛でokkoさんやokkoさんのご家族を
愛し尽くして至福の人生であったと思います。
ポピーちゃんはいつでも傍でご家族を見守っていることでしょう。
我が家の大輔やゴンやタローに「ポピーちゃんと仲良くしてね」と
伝えてあります。今頃はみんなでお空を走り回って居ることでしょう^^
by ぼっこ (2016-01-13 13:44) 

OJJ

ポピーちゃん,一丁前におでこにタオルを乗せたアイコンが瞼に浮かびます・・ちょっと生意気そうで可愛かったな~合掌。
by OJJ (2016-01-13 14:27) 

nomu

うちはお寺には頼まずに、火葬をやってくれる業者に頼みました
市も引き取ってくれるらしかったけれど、やはり骨を拾いたかったんです
かわいい壷に入れて貰い、庭の片隅に埋めました
お陰で、寂しさが少し減ったかなぁ
ペットロス症候群は免れませんでしたけど・・
by nomu (2016-01-13 17:01) 

トモミ

本当に、不思議な巡り合わせってあるんですよね!
我が家のアホ犬も、夏の夜、家族全員が揃っている中で急変して、その後の葬儀等も全てタイミングよく終わらせてくれました。
合掌…
by トモミ (2016-01-13 17:19) 

Loki

 待っててくれたんですね! 飼い犬さんが、優しい飼い主さんとのお別れの時を。

 でも、淋しくなりましたね。御気を落とさずに。
by Loki (2016-01-13 19:55) 

mwainfo

ヘミングウエイの言葉どうり、ですか。安らかに!
by mwainfo (2016-01-13 21:21) 

テリー

感動的なお話です。
ポピーちゃんも、最後に、okko さんにあえて、思い残すこと無く、度だったと思います。

by テリー (2016-01-13 21:56) 

okko

沢山のコメント、有り難うございました。コメント欄は閉じておくべきでした。

同じような悲しい思い出を持っていらっしゃる方が大勢いらっしゃったのですから。
それぞれに、愛情一杯にペットを育て、見送っておられ、今の自分と同じ経験をなさったいたのですね。

温もりのあるうちに、抱いてやれたことだけで、いまは幸せだったと思っています。
何を言いたかったのかな~、なかちゃん、言葉が通じないもどかしさが残ります。

人智では理解し得ないことがこの世でも起きるんだな~~、それが不思議でたまりませんでした。それで、どうしても、書き留めておきたくなったのです。

大切なペット、大切な方を亡くされたみなさま、ゴメンナサイ。
思い出させてしまって・・・・。

Baldさんがおっしゃるように、彼岸にも生活があることを信じています・・・・飛んで出てきたらこんなに嬉しいことはありません。
明日で丁度、1か月です。もうだいぶ前のことのように思えますけれど。

暖かくなるまで家に安置して、桜咲くころ、ワタシたちと一緒に入れる墓に・・と思っています。

「老人と海」、鮫に引きちぎられた無残な獲物、カジキマグロに老人が言った言葉、
「おい、おまえ、もとは丸一匹だったのが、今はまる半分だ、だが、俺と2人でよく頑張ったなぁ、負けたんじゃないぞ、沢山の鮫も殺してやったしな」
(途中略)

頑張ったヤツに負けはない、なぜかポピーの死も、決して負けではない!

そんな風に思えて、ポピーを讃えてやりたい、自分もジジも褒めてやりたい、そんな心境の毎日を送っています。

有り難うございました。纏めレスで失礼させて頂きました。

by okko (2016-01-14 16:29) 

旅爺さん

動物でもポピーちゃんの様に座敷犬で可愛がってると
費用も大分かかったんでしょうね。葬儀もあったし。
by 旅爺さん (2016-01-14 17:44) 

engrid

なんて健気な、待ってたのね、お母さんのこと
胸に抱かれて旅立って、、、目が潤みますね、、
okkoさんのコメント読みながら、涙目になりながらも
そうなんだ、全うすることは負けではない、そう思える日々を送らないと
教えられます

by engrid (2016-01-15 00:25) 

たいへー

一緒にいた時間が長いから、思い出も沢山あるでしょう。
幸せな一生だったと思いますよ。
by たいへー (2016-01-15 08:08) 

okko

*旅爺さん
家族同様の存在、お金のことはあまり考えませんでした、。医療費は保険で7割かえってきていましたし、葬儀は5万ほど・・・納得のいく送り方をしてやりたかったのです。それだけです。どこかで節約すれば・・・・。外飼いのワンコも同じじゃないでしょうか???


*engridさん
有り難うございます。
ワタシの部屋の壁、ポピーの写真だらけ。パソコンもPadも、スマホも、待ち受け画面はポピー、車にも乗っています。あの温もりがまだまだ、忘れられそうにありません。


*たいへーさん
2人だけの生活が始まってから飼った犬なので、ベッタリでしたから何をみても、ポピーに結びつきますね。水木さんの、霊界を信じて・・・・。
by okko (2016-01-15 09:54) 

旅爺さん

お正月も成人式もどんど焼きも終わって今度は節分でしたっけ?。
いろいろな行事もあるので気を紛らわせてね。
by 旅爺さん (2016-01-16 17:34) 

okko

*旅爺さん
アリガトウです。それがね、意外な展開に。次回、アップしますね。
by okko (2016-01-20 10:44) 

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