日本語は難しい
50代の数年、日本語教師をしていたことがある。
いろはのいの字も分からないゼロの生徒が殆どだった。
授業中は日本語だけ、動作を教えるのには、絵を見せたり、自分で
飛んだり、跳ねたりして見せなければならなかったから、かなり体力
消耗の仕事だったが、それでも、遣り甲斐はあった。
ある日のこと、面白い生徒の個人レッスンを学院側から頼まれた。
若い女性である。開口一番、「よろしくお願い申し上げます」ドキッ!
「ワタクシ、普通の日本語を話したいのでございます。
アメリカの大学では、日本語は敬語が難しいと申しまして、敬語を
主体に教えて頂いたので、普通に皆さまが話しておられるような
言葉がよく理解出来ません。ですから、とても困っております」
ゼロからの日本語ならまだしも、これにはこちらも困った。
確かに日本語は敬語があるから、時と場合の判断が付きにくい。
古い話だから、(30年以上前)以前に話題に取り上げられたかも
知れない。
なぜ、今、また敬語かといえば、最近のN〇Kアナウンサーの言葉が
耳に引っかかったからである。
「天皇・皇后両陛下は、退位報告にのぞむため伊勢神宮に詣でられた。
両陛下は、〇時に伊勢神宮に到着し、三種の神器を奉納されて参拝し、
・・・・特別列車で戻るご予定です」 なんかおかしいでしょう?
ゴチャマゼなんです、敬語と一般語が。いともスラスラと。
無理もない、敬語という分類が別にあるのは日本語だけ、と言っても
いいでしょう。敬語も、尊敬語、謙譲語・丁寧語と使い分け、日本人は
特に年配になれば、自然に出てくるけれど、
「次のコンサートでは、○○を歌わせていただくことになっております」
も、ちょっとおかしい。英語ならばMay I・・・・?などでおおかた
誤魔化せる?けれど。 本当に日本語って難しいですねぇ。
ハナミズキが咲きました。白もピンクも青空に映えて美しいですねぇ。